仕事を得ようとするクリエイターが、その実績をアピールするために使うポートフォリオ。人に見られることを前提として作成するものなので、しっかり見てもらえなければツールとしての意味がありません。
作成の手順とポイントを押さえて、相手が見たくなるようなポートフォリオを作りましょう。
ポートフォリオはクリエーターの実績・実力を伝えるための作品集
一般的な職業であれば、履歴書や職務経歴書の内容を参考に採用を判断できます。しかし、クリエイターの場合はセンスやオリジナリティ、スキルが選考基準になります。作品を売り込むための営業などでも、今までどのような作品を作ってきたのかを知ってもらわなくてはいけません。
それを形として表せるのが、ポートフォリオです。簡単に言うと、自分が手がけた作品集のような位置づけで、実績や実力を伝えるためのツールとなるものです。
ポートフォリオはクリエーターの就職や営業に必須!
ポートフォリオは自分が過去の作品を見て楽しむものではなく、あくまでも第三者に見てもらうためのものです。クリエイターとして就職したいときは書類選考で必要になりますし、フリーランスで営業をかける場合は、クライアントに売り込むときに必要となります。
ポートフォリオの作成手順
ポートフォリオは、WebデザイナーやCGデザイナー、イラストレーターなど職種によって作成の手順に違いがあります。
ここでは、どのクリエイターにも共通している基本的な作成手順をご紹介していきます。
1. 実績・経験・担当業務・連絡先などをまとめた自己紹介ページを作る
ポートフォリオは、作品集であると同時に履歴書の役割も果たします。まずは自分を売り込むための自己紹介として、クリエイターとしてのこだわりや実績、経験、担当業務などを1ページにまとめます。制作した作品のタイトル、キャプチャ、作品のコンセプト、自分の連絡先を分かりやすくまとめておきましょう。
2. 評価された作品や相手のニーズに合った作品を厳選してまとめる
作品は、たくさん載せれば良いというものではありません。賞を受賞したものや評価されたもの、自身の代表作、また相手のニーズに合ったものを絞り込んでまとめてください。
3. 作品にコンセプト・制作時間などの説明文をつける
作品を絞り込んだら、それについての説明文をつけます。
作品のタイトルとビジュアルを載せたら、クライアント名やターゲット、作品の狙いやコンセプト、制作時間、担当ポジションなどを職種に合わせてピックアップして説明文を作りましょう。記載する内容について、守秘義務などに配慮することも大切です。
4. 資料の集め方やアイデアの収集法など仕事の進め方の説明を入れる
作品紹介の後には、自分がどのように仕事を進めていくかなど制作スタイルを説明します。この時、資料の集め方やデザイン、アイデアの収集法なども入れておくといいでしょう。
5. 将来の方向性についての説明を入れる
今後、どのような作品を作っていきたいか、どのようなクリエイターを目指すのか、将来のビジョンについての説明を入れて完了です。
ポートフォリオを作成する際に気をつけるべき3つのポイント
ここでは、ポートフォリオ作成で気をつけるポイントをご紹介します。
1. 自分ではなく見る人の視点で分かりやすく作る
ポートフォリオを作っていると、つい自分目線になってしまいますが、見るのは第三者です。その人が求めている情報を簡潔かつ的確に伝えることが大事なので、見やすさや読みやすさ、分かりやすさを意識しましょう。
2. フォントやアイコンなどを揃えて統一感を出す
作品によっては、レイアウトや背景などを工夫するのもありですが、ページデザインがばらばらだと見づらいですし、個々の作品のインパクトも薄くなります。作品を見てもらうには統一感が大事なので、フォントやアイコンなどを同じ種類に揃えましょう。
3. 画像作品は加工して美しく見せる
画像作品は美しさが重要ですから、色の補正や色調のコントロール、ゴミを消すなどの加工を行いましょう。加工はどんな印刷物にもされている、見やすくするための大切な工程です。
4. スキルもあわせて明記する
ポートフォリオは作品メインのイメージがありますが、見る人は作品を作った人のスキルも確認します。どの程度のスキルがあるかというのは、仕事をする上でとても重要ですから、忘れずに明記してください。
5. 作品は自信があるものだけを載せる
作品数が少ないと、自信のない作品も数合わせで載せたくなるかもしれません。
しかし、スキルの低い作品は見る側にとって不要な情報です。作品は自信があるものや賞をとったものなど、レベルの高いものだけを厳選しましょう。
魅力的なポートフォリオ作成はスキルアップにも繋がる!
ポートフォリオには決まったフォーマットがないだけに、作るのが難しいかもしれません。ですが、人の目線を意識することで、どのような構成が見やすいかが客観的にわかってきます。こうして人が見て分かりやすいポートフォリオ作りをするのは、自身のスキルアップにも役立ちます。
作品作りもポートフォリオ作りも、自分のセンスを活かしながら周りに発信するという共通点がありますから、自分のためにも魅力的なポートフォリオを作れるようにいろいろと工夫してみましょう。