封筒はサイズと色で選ぶと思いますが、このコラムでは、白、茶色、カラー封筒、といった「色」について掘り下げてご案内させて頂きます。ぜひ今後の封筒選びにお役立てくださいませ。
封筒の色ごとの意味とイメージとは?
封筒には、白、茶、カラー封筒などがあり、それぞれにイメージがあります。
適当に使っていると、知らないうちにマナー違反を犯してしまうおそれがありますので、色ごとの意味合いや用途について学んでおきましょう。
どんな時に何色の封筒を使えばよいのか、ここでは日常的に使われる封筒の色が持つ意味合いから、用途などをまとめてみました。
白い封筒(和・無地)
白には「誠実」「清潔」といったプラスのイメージを抱く方が多い上、茶封筒に比べるとフォーマルな印象が強いので、どなたに宛てても失礼にあたることはありません。
ただ、裏紙のある二重の封筒は忌み言葉である「重なる」につながるため、弔事やお見舞い、結婚式のお祝いなどの手紙には不向きです。
白い封筒(洋・無地)
白無地の洋封筒の意味は和封筒とほぼ同じで、かしこまった印象を受ける事から、正式な文書の送付にも適しています。
ただ、縦書きの郵便番号欄があるものについては、とじ目を逆にするのがマナーとされる不祝儀に使用すると表側と上下が逆さまになってしまうので使用NGです。
茶封筒(クラフト封筒)
茶色は安心感や信頼性を与えるとされています。質素な茶封筒は落ち着いたイメージを与えるため、ビジネスライクなやり取りに適しています。
白無地の封筒と意味はほぼ変わりませんが、ローコストで購入できるため、ビジネスには茶封筒を使っているケースが多いようです。
カラー封筒
カラー封筒はどちらかと言うと趣味的な要素が強いため、正式な文書のやり取りにはあまり適していません。
ただ、グレーや淡い水色、クリーム色など薄い色無地の和封筒であれば、フォーマルな用途に使っても失礼に当たらないでしょう。
カラーのイメージは、ベージュ=やさしさ、ブルー信頼、淡いピンク=可愛らしさ、イエロー=元気、グリーン=健康、などが挙げられます。
封筒の色ごとの用途とは?
色には、人々の感情や印象に影響を与えるとされています。
たとえば、白色は清潔感や正統性をイメージさせ、茶色は温かみや信頼性を、青色は信頼性や安定感を、黄色は明るさや元気さを、緑色は自然や健康をイメージさせます。封筒の色が文書の受け取り手に与える印象は、その文書やシチュエーションによって異なる場合があります。
以下コンテンツでは封筒の色の違いによる特徴や使い方を紹介致します。
白い封筒(和・無地)
二重封筒の使い方にさえ気を付ければ、ビジネス・プライベート問わず幅広い用途に活用できます。
個人情報など中身を見られると困るような文書の場合は裏紙のある二重封筒を使用しましょう。
白い封筒(洋・無地)
白無地の洋封筒は幅が広いので、結婚式の招待状や案内状など、大きめのカードを入れるのに適しています。
また、L判サイズにも対応しているので、写真の送付にも役立ちます。
茶封筒(クラフト封筒)
茶封筒は、社内で扱う資料や取引先への請求書・納品書など、社内外のビジネス文書のやり取りに多用されます。
その一方で、通常の封筒は簡単に開封されたり、中身が覗き見られたりする可能性もあるため、機密性の高い文書の送付には、封筒の厚みを増やしたり、特殊な封緘方法を用いたり、セキュリティ対策が必要になります。
また、目上の人への送付や私信にも不向きですが、折り曲げ不可の書類などを送付する際は大判サイズの茶封筒を使用しても問題ないでしょう。
カラー封筒
淡い色の無地封筒なら、目上の人へのお礼状などあらたまった場に使用してもOKです。
濃い目のカラーや柄がついたものは正式なやり取りには適さないものの、見た目がきれいなので友人や知人など親しい間柄の人への手紙に使用すると喜ばれるでしょう。
ただ、いくら親しい相手でも、お礼状にカラー封筒や柄封筒を使うのはあまりおすすめできません。親しき仲にも礼儀ありで、改まったシーンでは白無地の和封筒または洋封筒を使うのが無難です。
封筒の豆知識
普段からよく目にする封筒ですが、その種類や用紙の成り立ちなど、ちょっとした豆知識をご紹介いたします。
白い封筒よりも茶封筒が一般的なのはなぜ?
一般的に最も多く使われている封筒には茶封筒(クラフト封筒)と白封筒がありますが、どちらかといえば茶封筒の方がよく目にしますね。
ではなぜ茶封筒の方がよく使われるのか。その理由を探ってみましょう。
(1)価格
扱っている印刷屋では白封筒の方が安かったりしますが、一般的には茶封筒の方が安く手に入ります。
(2)種類
郵便番号枠ありと枠無し。白封筒と茶封筒両方で取り扱いがあります。サイズは、一般的な長3、角2以外では茶封筒の方が多いようです。
(3)用途
履歴書を送る際は茶封筒より白封筒の方がよいでしょう。手紙も白封筒の方が一般的です。茶封筒よりかしこまった場面で使われる事が多いです。
茶封筒はビジネス、事務的な用途に使われる事が多いです。
茶封筒は中身が透けにくく破れにくいという点。また白封筒は汚れが目だったりするので、扱いやすい茶封筒の方が一般的に多く使われる理由でしょう。
白い封筒でよく目にするケント紙とは?
ケント紙とは一般的に化学パルプ100%を原料とする紙です。
発祥がイギリスのケント地方であることからその名が由来しています。
平滑性が高く、色は純白です。
コピー用紙と比べると紙厚も厚く、透けにくく破れにくいので、鉛筆やボールペン、油性ペン、水彩絵の具など多くの筆記具と相性がよく、消しゴムで消した時にも毛羽立ちが少ないので、製図やパースなど建築分野、イラストやデザイン分野など、プロの現場でも幅広く使われています。
一般的な生活の中でもカレンダーや封筒、名刺などに使われており、目にする事も多いでしょう。
特に封筒では筆記性の良さから白い封筒でよくケント紙が使われています。
一般家庭でのプリンターに適しているのはコピー用紙のようです。ケント紙でもプリントできなくはないですが各プリンターの設定に注意が必要です。
茶封筒でよく目にするクラフト紙とは?
クラフト紙(Kraft paper)とはクラフト方という製法から名付けられた、パルプを原料とする紙です。
パルプとは木の繊維で、元々茶色です。コピー用紙やケント紙などは漂白加工を行い白くなりますが、クラフト紙は、木の繊維が持つ強度を保つため、あえて漂白工程を行なわないので茶色い色を保ったまま製品化されています。
強度が強いので、包装紙や梱包材などに使われる事が多く、封筒でもよく目にします。
FSC森林認証マークとは?
FSC認証は、森林の生物多様性を守り、地域社会や先住民族、労働者の権利を守りながら適切に生産された製品を消費者に届けるためのマークです。
FSCは、1994年に設立された、国際的な森林認証制度を運営するNPO法人です。
消費者は、FSCマークを目印に製品を選ぶことで、森林の生物多様性を守り、地域社会や先住民族、労働者の権利を守りながら適切に生産された製品を選んで購入することができます。
FSCマークの製品を選ぶというアクションをより多くの人に知ってもらうことが森林保全につながります。
FSCサイト公式サイト
https://jp.fsc.org/jp-ja/About_FSC
東京カラー印刷ではFSC 森林認証された用紙を使用した封筒もご用意しております。
認証マークは、封筒裏面右下に印字されます。
封筒選びで気を付けるポイントとは?
封筒選びで気を付けるポイントを分かりやすくご説明させて頂きます。
ポイント1:二重封筒
二重封筒
封筒には一重のものと二重になっている形状のものがあります。二重封筒は目上の方へ個人的にお手紙を出す場合や、あらたまった内容のお手紙を送る時に使用します。
二重封筒を使う際に注意しなければいけない点は、「繰り返す」という意味があるため、お見舞いや弔事などに使用してはいけません。
当社では二重封筒の取り扱いはありませんのでご安心ください。
また、中身が透けて困るようでしたら、当社では「ミエナイ封筒」という封筒を取り扱っております。是非ご利用くださいませ。
>ミエナイ封筒はこちら
ポイント2:履歴書に付属する封筒
履歴書に付属する封筒
履歴書を買うと長形封筒が付属されている事があるため、履歴書に長封筒を使っても良いと思う方も多いでしょう。
しかし、履歴書を長封筒に入れるには三つ折りか四つ折りにしなくてはなりません。
履歴書を受け取る企業側にとっては、折り目やしわを伸ばすという余計な手間がかかります。
できれば履歴書は折らずに入る角2や角A4といったサイズを選ぶとよいでしょう。
ポイント3:厚さや重さに注意
厚さや重さに注意
封筒を郵送などで送る場合、定型郵便と定形外郵便で料金が変わってきます。メール便などは「厚さ○cm以内、重さ□g以内」のように範囲が決められており、それを超えると送料は高くなってしまいます。
封筒を選ぶ際にはサイズと送料も確認してから選ぶようにしましょう。
封筒の色はフォーマル、カジュアル、ビジネスなどシーンに応じて使い分けて
近年はメールやメッセージアプリの台頭により、封書でのやり取りは減少傾向にあります。
しかし、封筒の利用率は未だに高い水準を保っており、10~50代以上の男女に普段仕事やプライベートで利用している文房具を尋ねたところ、封筒は4割以上と高い数値をマークしていたそうです。[注1]
一方で、封筒選びのポイントについては「デザインが良い」「使いやすい」「かわいい」など主観的なイメージを重視している人が多数を占めています。[注2]
親しい相手に送るのであれば差出人の好みや使い勝手に合わせて選んでもよいのですが、ビジネスやフォーマルなシーンで封筒を使う場合は用途や目的に合わせて封筒の色を選ぶのがマナーですので、どんな時にどの色の封筒を選べば良いかちゃんと考えて使用するようにしましょう。
[注1]マイボイスコム株式会社:文房具(第2回)
http://www.myvoice.co.jp/biz/surveys/17809/index.html
[注2]株式会社ネオマーケティング:文具に関する調査
https://www.neo-m.jp/investigation/2052/